旬どき うまいもの自慢会 みやぎ

archive [2006.10]

秋の川辺の“いも煮会”と「曲がりねぎ」だっちゃ

天高く馬肥える秋になりました。皆さん、こんにちは。今回は担当トミヤにかわりまして営業部員の沼田が皆様に「旬どき」をお伝え致します。
先日、通勤中のラジオから聞こえてきた話ですが、コンビニで「おでん」が一番売れる季節は10月なんだそうです。そう言えば昔中華屋の主人に「冷やし中華が一番売れる月はいつだ?」と聞かれ、「7月」と答えたところ正解は「5月」でした。「おでん」も「冷やし中華」も寒暖の差を一番感じられる時期に売れるのだそうです。

今回のブログは、季節の変わり目のこの時期によく行われる「いも煮会」と「曲がりねぎ」のご紹介です。いも煮会とは、9月下旬から11月上旬にかけて仲間うちや町内会等のグループで集まり、鍋や焼き物をやってワイワイと川辺で秋の味覚と移りゆく季節の情景を楽しむ行事です。
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「いも煮って何?」っていう方に簡単に教えますと里芋が必ず入る鍋料理、という事でしょうか。具材の中味や味付けは宮城風と山形風で違いがあり、おもしろいものがあります。最近では、大勢集まり両県のいも煮を作ることも多く見られます。集まった中で山形県出身者がいたりすると必ずといっていいほど、どちらが美味しいかを冗談で競い合ったりします。
たとえば、こんな会話が川辺で繰り広げられます。

「おめーの山形県は滅多に牛肉食えねえーがら、年に一度いも煮会のとぎだげすがくゎせられねーんだべー」
「ばがこぐんでねー!宮城県は牛肉買えねんだべしたー」

(あなたのいる山形県の人は、滅多に牛肉を食べることができないので、年に一度のいも煮会の時にしか食べられないのですよね)
(くだらないことを言わないで下さい!宮城県の人は、牛肉が高くて買えないから豚肉を使うのですよね)

ってな感じで意味も根拠も無い言い合いで楽しく、いも煮が作られていきます。

宮城風と山形風のその鍋の中身はと言いますと
○里芋、長ネギ、豚肉、ごぼう、人参、糸こんにゃく(しらたき)、揚げ豆腐、茸、白菜などが入ります。なるべく大きめにカットし、味噌仕立てで味付けに調味料として味醂、日本酒で整えます。これが主に宮城県流です!
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これが山形風になると
○主に牛肉、醤油仕立て、こんにゃく、野菜関係は長ねぎのみとなります。

いも煮会では役割分担も決まってきます。
鍋作り奉行(絶妙の味付けに使命感を燃やします。すべてを取り仕切ります)
     
           「もすこす酒っこ入れでいいーんでねーべかぁ?」
          ( もう少し酒を入れてもいいかもなぁ? )

鍋作り奉行は、火力専門奉行(薪をくむ人)に言います。

           「おら!火力たんねどー、もっと薪ばくべろー」
          ( ほら、火力が足りません。もっと薪をくんでー )

焼き物担当奉行 :「秋刀魚焼きぐえ、頃合いいんでねぇがわ」
          ( 秋刀魚の焼いた感じは、そろそろいいんじゃないかなぁ )
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口だけ出す奉行:「この芋かでーごだ、ししゃますなやー」
         ( この芋さー堅いんじゃない、食べられないよ? )
           ししゃますなやー=「もてあます」という意味です)

食うだけ奉行:「ようし!出来だー 食うどー(箸と皿で両手がふさがっていたりする)」
        ( ようし!出来た!食べよう!)

        てな感じで構成されてます。

ふたつの県のいも煮はどちらもうまいのですが、宮城県には鍋にぴったりでひと味違った味を引き出す自慢の食材があります。それが「曲がりねぎ」です。
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 偶然に曲がってしまったねぎではありません。宮城県にはわざと曲げた高級ねぎがあるのです。一般的な「白ねぎ」はまっすぐに立てた状態で土寄せをおこなうことで白くなりますが、「曲がりねぎ」は白い部分が大きく曲がっています(写真左が「曲がりねぎ」です。右は普通のねぎです)
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作り方は
?ねぎの種を蒔き、15cm位になったら一列に移植。
?ごく普通のねぎの大きさになったら、わざと抜いて隣の列に横にして青い上の部分だけ残し、再度土を被せる。  
?ねぎは真上に更に伸びようとしますが、胴体が土に埋まっているのでさらに曲がり大きくなります。
?それを慎重に土から堀り土皮を剥いて出荷されるのです。

曲がったねぎは馴染みが薄いと思われますが、最近では「曲がりねぎ」がTVの料理番組等で紹介されていて、にわかに注目されています。その甘味と軟らかさは、鍋料理にはよく使われています。「ねぎ」の柔らかい身に鍋の味がしみ込み、「ねぎ」そのものの甘さも加わり美味しさを倍増させます。

秋空の下で美味しいいも煮と一緒に夏越しの酒を火入れせず、蔵出しの風味そのままに生詰した秋の限定商品「ひやおろし浦霞」をおすすめします。すでに9月に出荷されており、店頭でも少なくなってきているところもあるとは思いますが、「ひやおろし浦霞」のまろやかでふくらみのある豊かな味わいは秋の味覚にぴったり合います。お試し下さい。
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秋の休日、見上げると真っ青な空に真っ白な雲。みんなが集まった周辺では、コスモスが綺麗に咲いていて、ふらっとトンボが舞い降ります。秋の日差しが心地よい河川敷で「曲がりねぎ」はなくても気のおけない仲間と味わういも煮会は最高です。皆様も是非、宮城風と山形風を一度お試し下さい。
毎年のことですが、運転者は飲めないため必ず次年度も参加を誓います。飲んだら飲まない大人のマナーでいきましょう。
 
 (トミヤ注釈:沼田は実家が農家で社内でも1、2を争う屈指の宮城弁の使い手です!)