旬どき うまいもの自慢会 みやぎ

archive [2009.01]

宮城の旬の食材 : 七草のひとつ「仙台せり」


皆さん、こんにちは。企画課の芳賀(はが)です。

早いもので1月もあと数日。
蔵では酒造りの最盛期を迎えております。
陽が昇る前、まだ暗いうちから蔵人たちは作業に入ります。
下の写真は、蒸し米の自然冷却の様子です。
暗い中に輝く蒸し米の白さと蒸気、丁寧に広げる蔵人の姿。
その神秘的な世界(空間)にいつも感動します。


そんな酒造り最盛期の1月、今月皆さんにご紹介したい宮城の旬の食材は、
「仙台せり」です。

春の七草のひとつとしても知られ、雑煮や鍋に大活躍する食材。
シャキッとした歯ざわりと、独特の香りが特徴。

主役を引き立てる「せり」を、今回は主役食材として取り上げます。

仙台市の南隣に位置する名取市で、有機農法で栽培している
若手のせり農家さんがいらっしゃるということで取材に行って参りました。


宮城県名取市の位置


今回お邪魔したのは三浦隆弘さんのせり田。

初めてせり田を拝見しましたが、豊富な水と広い土地、青い空のもとで
育てられている風景をみて感動しました。

もともと「せり」は、湿地や水辺に自生する野草で、万葉集などにも
登場する日本人に馴染み深い野菜で、野菜の中でも日本原産野菜の
1つで最古の香味野菜だそうです。

「せり」は、冬場の野菜のイメージがありますが、夏場の一時期を
除き、周期的に市場に出荷されているそうです。

「せり」というとお正月、冬のイメージがありますが、ほぼ一年中
市場には出ているんですね。

「せり」の旬は、1?3月。これから益々おいしくなるそうです。


そして、「せり」の収穫作業も拝見させて頂きました。

収穫は全部手作業で、水深40cmくらいのせり田に入って行うそうです。
この広いせり田の「せり」を全て収穫するにはどれほどの労力と時間を
費やすのか考えると気が遠くなります。

「せり」は、根っこごと引き抜いて、せり田の水で根っこを洗い、
そして黄色くなった茎や葉もこの段階でとるそうです。

下の写真は地下水が自噴している様子です。
名取川が流れる名取地方は、湿地の意味のアイヌ語「ヌタトリ」から、
丹取(にとり)と呼ばれるようになったという説もあるほど、地下水が
豊富だそうです。

収穫した「せり」をもう一度、井戸水で洗うために移動します。

移動中、せり田を覗くと、あるエリアにまばらに植えてありました。
三浦さんに尋ねると「苗せりです」とのこと。
こちらの苗を秋に植え付けていくそうです。

収穫した「せり」は、下記の写真に映っている機械を使い、洗います。
井戸水が勢いよくシャワーのように流れ出し、水圧で土や切れた茎を
飛ばすそうです。

最後に選別作業。
きれいに洗った「せり」は、枯れ葉や軟弱な茎をとり、束ねます。
お話しながらもテキパキと100gずつ束ねていく熟練具合。
「手に持っただけで、重さはわかります」とのこと。さすがです。

せり作りのほんの一部の工程しか拝見しておりませんが、
丁寧に手作業で育てられており、勉強になりました。


「無農薬で栽培していると、周りに生態系が自然にできてきます。
 さまざまな生き物が増え、楽しくにぎやかになってきました。
 良い環境を作りながら、おいしい野菜を育てています。
 無農薬と農薬で作った『せり』を食べ比べると全然違います。
 それを知ってしまうと、農薬は使えませんね。」

と三浦さんは話してくれました。
名取の「せり」は、今後も注目の食材ですね。


そして三浦さんの「せり」を早速自宅で食してみました。
今が旬の「せり」には、今が旬の「しぼりたて 浦霞」
と合わせてみました。


「せりのおひたし」と「しぼりたて 浦霞」

「せり」は瑞々しくシャキシャキと歯ごたえがありました。
甘みと、せり独特の香りと程よい苦味があり、他の葉物野菜の
おひたしに比べ、さっぱりとしており、風味がありました。

「しぼりたて 浦霞」を飲み、口の中をまろやかにした後に、
もう一度、おひたしを食べると、「せり」の味がさらにくっきりと出て
美味しかったです。

そして、もう一品、「せりの天ぷら」です。

天ぷらにしても、さっぱりさと歯ごたえはありました。

「しぼりたて 浦霞」は、新酒らしい華やかさとフレッシュさ、後味にキレがあり、
程よい旨味を持ったお酒です。

新鮮な旬の「せり」と合わせていただくと、より口の中が
まろやかになり、余韻を楽しむことができました。

「せり」は3月頃までが旬とのことで、まだまだこれからも
楽しみたい食材の1つになりました。

是非、皆さんにもお楽しみいただきたいです。

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