旬どき うまいもの自慢会 みやぎ

「目黒の秋刀魚」ならぬ「三陸の秋刀魚」を食す

東北の港町・塩釜にも少しずつ秋の気配が近づいてきました。皆様はどのようにお過ごしですか?
この時期の三陸を代表する味覚と言えば、やっぱり「秋刀魚」ですよね!
炭で火をおこし、七輪でジワジワ焼いて煙にまみれながら秋刀魚の焼き具合を見極める。したたる脂が「ジュ」と炭に落ちるとさらに煙が増し、香ばしい匂いが立ちこむ様子は想像するだけでも楽しいですよね。
風に匂いが運ばれたその先で
「あら?!隣の家は秋刀魚かぁ?。いいわね?、秋ねぇ!うちも今夜は秋刀魚しようかしら」
といってポンと手を叩き、今晩のおかずが決まる主婦を連想してしまうのは自分だけでしょうか・・・。

 「三陸の秋刀魚」を求め、例によって塩釜仲卸市場に出かけました。これから最盛期を迎えるところですが、今日も市場ではたくさんの獲れたの秋刀魚が並んでいました。

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「どこで水揚げされた秋刀魚ですか」
「女川だよ」
女川は、宮城県の沿岸北部で三陸の海に突き出た牡鹿半島にある港町です。秋刀魚の漁獲高では、気仙沼港と並んで全国ベスト5に入る有名なところです。

市場の人に聞いてみました。
「秋刀魚はどのようにして食べるのが好きですか」
「んだね、焼いて食べるのがうまいちゃぁ?」
やっぱり!でもここで食い下がります。

「他には何があります?」
「刺身もいいしね。」
生きの良い秋刀魚の身は、脂がのっていて刺身も抜群に美味しいです。そして、生姜をすりつぶして醤油をつけて食べると脂がのったあと生姜がすっきりさせてくれます。

「他には?」
「秋刀魚のなめろうも美味しいよ。ご飯にも酒の肴にも最高だよ!」
「秋刀魚をすり身してハンバーグ作っても美味しんだ。こっちの方が健康にもいいし長生きするんだから」
と言ったあとに
「市場にいる人の肌つや見てごらん。新鮮な魚介類を毎日たくさん食ってっから、みんなツヤツヤしてるべ」
と言われ、なんとなく納得してしまいました。
秋刀魚ひとつで話が弾む市場は、来るたびに思うけど楽しい。
焼き秋刀魚もいいけど今回は食べたことのない秋刀魚のなめろうを食べることにしました。
「なめろう」とは、青魚を三枚に下ろしてから剥いた身の上に味噌や細かく刻んだネギ・生姜・シソなどを乗せ、豪快にまな板の上などで包丁を使って細かく叩いた漁師料理です。
早速、購入したなめろうを実食しました。お酒は「純米浦霞(http://www\.urakasumi\.com/hpa/sh_junmai\.html)」の小瓶サイズ(300ml)を用意しました。

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 まずひと口いれてみて
「酒飲みの肴にぴったり!」
と思わず言ってしまいました。
秋刀魚の脂がのった身に味噌や生姜などの味がうまく合わせられていて何ともいえない旨味になっていました。 
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 「純米浦霞」をグラスに注ぎ、ひと口流し込みます。
予想はしておりましたが(笑)
「美味しい!」
「純米浦霞」の持っている程良い酸味とふくよかな旨味が、なめろうの持っている旨味と重なりあって美味しさを引き立てていました。
後に聞いた話ですが「なめろう」の語源は、皿についていた身まで舐めるほど美味しかったから、という説があるそうです。酒飲みは、皿を舐めてお酒を飲んだかもしれません。
皆様も秋刀魚の「なめろう」と浦霞で秋の訪れを楽しんでみませんか?
よし、今度は寿司屋で秋刀魚の握りを食べよう、かな。それでは、また。