旬どき うまいもの自慢会 みやぎ

archive [2007.06]

第4回【夏の集い】を開催しました

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こんにちは、企画課のトミヤです。
4回目となる「旬どき・うまいもの自慢会・みやぎ」?夏の集い?が仙台老舗の懐石料亭「東洋館」で開催されました。

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 「東洋館」は、仙台に残る数少ない懐石料亭です。創業から100年となる建物も当時のままの姿で趣があり、杜の都・仙台の街並みを見下ろせる丘陵地帯にあり、眼下には広瀬川が流れる素晴らしい眺めのところにあります。
'高級料亭'として知られていて「一度は食事をしてみたいところだったけど、敷居が高い感じがして行く機会がなかった」「一度来たかったんだよ?」と期待を膨らませる声がチラホラと開催前から聞こえていました。参加人数は40名の募集を越えて47名となりました。

開催当日は、夏至の翌日となる6月23日(土)の12時よりスタートしました。6月21日より梅雨入りした仙台でしたが、この日は快晴となりました。
今回は早く来た方が開宴までゆっくりと待機して頂く待合室を用意させて頂きました。玄関から続く畳敷きの廊下を歩いて通された待合室には、生け花や掛け軸(誰もが知っている400年前の武将の直筆の手紙)がそれとなく飾ってありましたが、どうやら調度品であることも伺い、後でびっくりです。

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皆さんが揃ったところで待合室から会場へご案内。着席頂いたところで開宴です!

始めに社長の佐浦がご挨拶。

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次に「東洋館」の千田社長からもご挨拶頂きました。
 「旬のみやぎの素材を吟味して、浦霞のお酒に合うように献立を考えました。東洋館の料理と浦霞のお酒のコラボレーションをお楽しみください」
千田社長のコメントに期待も一気に膨らみます! 

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続いて乾杯の挨拶ですが、今回は今日のイベントに一番乗りして頂いた方へお願いしました(○十年前に披露宴をここで挙げたなどのエピソードも話をして頂きました。ありがとうございました)。

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乾杯のお酒は、今年度最後に仕込んだ、宮城県産ササニシキ100%を使用した特別純米酒の生酒でこの日のための特別なお酒です。
ほど良く冷えた生酒特有のフレッシュな香りとお米の旨味が感じられる味わいにひと息つき、歓声。「美味しいね?」の声にひと安心です。

ここからは、みやぎ各地の旬の材料を吟味して集めた料理と旬のお酒をじっくりと堪能して頂きました。献立には書いていなかった料理長さんの各々のタイトルも一緒にご紹介します。


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先付 「初夏の香り」・・・雲丹、栄螺(さざえ)、蛤、鮑 
三陸から運ばれてきた「雲丹」「栄螺」「蛤」「鮑」といった初夏を感じさせる食材を一品にして提供。個性のある素材をうまく合わせた味わいは、まさに海の香りそのものです。

前菜 「宮城の薫風」・・・鮑柔煮、海老新生姜巻、炙りほや、鰻寿司、
青端湯葉、あまえくぼ塩蒸し
三陸や閖上といった宮城の浜から取り寄せた「鮑」「ほや」「海老」。「ほや」はまさに宮城を代表する食材。アンケートでも人気が高かったのが「ほや」でした。
炙った「ほや」はくさみがなくなり、自然の旨味が感じられ生酒にもぴったりとの感想でした。
「あまえくぼ」は、宮城県でしかつくられていない「そらまめ」ですが、鮮やかな緑色をしていてくせがありません。シンプルに塩蒸しで頂きました。
?海のもの、山のもの?素材の味を楽しめた前菜です。

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吸椀 「仙北名物」・・・ふかひれ 蕗 ササニシキ麺 
宮城県気仙沼の「ふかひれ」は、中国の高級食材として輸出もされている宮城県でも有数の特産品です。ささにしきで作られた麺も米どころ宮城らしい素材ですね。

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造り 「海の便り」・・・鮪、鮎魚女(あいなめ)、帆立貝
これは近海で獲れた「鮎魚女」や塩釜の「鮪」、女川の「帆立貝」など新鮮な彩りが目をひきます。

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お造りがすべての方に配膳されたところで果実のような気品ある吟香とやわらかながら落ち着いた味わいの「大吟醸 浦霞」を提供。そして、ここで料理もお酒の配膳も一時中止です。
そして、社長の佐浦より一言。
 「東洋館さんからの景観や建物、美味しい料理と旬のお酒がありますが、何かが足らないと感じていました。そこで、この舞台を利用して仙台の芸妓さんに踊りを披露してもらうことにしました」

「おぉぉ?」という、どよめきと共に大きな拍手がわき起こりました。

「大吟醸 浦霞」の提供のタイミングは「これから始まる芸妓さんの舞台の鑑賞をしながらお酒もゆったりとした心持ちで堪能してもらいたい」そんな思いからでした。

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踊りは「さんさ時雨」から始まり、仙台にゆかりのある「荒城の月」と5曲を東洋館の歴史と雰囲気のある舞台で演じられました。最後は、拍手喝采でした。
舞台終了後、披露してくれた富丸さん、富弥さん、佳子さんがイベントに参加した皆さんにご挨拶も兼ねて各テーブルをまわり会話を楽しみ、さらにイベントを盛り上げてくれました。

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キリッとした感じで身の振舞いも踊りも素敵な仙台の芸妓さんですが、今では6人まで減ってしまったそうです。「百万都市の仙台から消えてなくなるは恥」ということで復興に力を入れているそうです(みんなで応援しましょう)。

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踊りの余韻が冷めないうちに次の料理となりました。ここで3番目のお酒「浦霞禅」が皆さんのお膳に運ばれました。

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○焼き物「恵み」・・・鱸、淡竹、唐辛子
「鱸」も「淡竹」も「唐辛子」も海や山の自然の「恵み」であるところからつけられたネーミングです。

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○煮物「仙台平野の力」・・・宮城白目大豆、長茄子南京、えんどう豆、新牛蒡。
「宮城白目大豆」は、古くから宮城県内で作られている宮城を代表する品種です。

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○揚げ物「仙南名物」・・・北寄貝ずんだ揚げ、あすぱら、温麺(うーめん)
以前の「旬どき」でもご紹介した亘理の「北寄貝」。そして、江戸時代から作られている「温麺」は、白石を代表する食材です。

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○酢物「深山嵐」・・・つるむらさき、椎茸、仙台味噌ドレッシング
「つるむらさき」はほうれん草を凌ぐビタミンが豊富で宮城県の夏野菜としては全国でも出荷量が多いんですって。

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○食事・・・穴子ご飯、仙台味噌椀
そして、夏と言えば「穴子(松島湾)」。

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○水物・・・青煮梅 とまと
デザートです。「梅」と「とまと」。まさに「旬」で夏を感じさせてくれる素材で締めくくりとなりました。

今回は、気づけば3時間を越えるこれまでにない長い時間のイベントになりましたが、不思議なくらい短く感じられました。終盤に近づくほど盛り上がり、どこのテーブルの皆さんも会話を楽しみ、料理を楽しみ、お酒を楽しんでいる様子を伺うことができました。

「今日は、お酒も料理も踊りも良かった。日本を感じたよ」
お酒を注いで回っているときに聞かされて、本当にうれしくなりました。

イベントを終えた感想の一部をご紹介します。

「仙台・宮城の郷土料理や、新たな宮城の特産品を活かした料理との組合せで浦霞をいただき、大変満足しております」

「特別純米生酒 浦霞?食中酒にもデザートにも美味しくいただきました。もちろん浦霞禅!お料理すべてに有っていました!とりあわせ、季節感+地元感良かったです。思いがけない踊りの登場に感謝!ここにも地元感あり、でした。日本に感謝。私達って本当に恵まれていますね・・・日本人でよかった!」

「旬どきは季節感もあり、日本人として大変幸せです。素晴らしいと思います」

「非常に満足させていただきました。この会の雰囲気、進行、余興とても楽しめました。お料理も大変美味しかったし芸妓さんたちの舞もすばらしかったです」
 

人が感動する場に立ち会えた、という幸せの瞬間でした。
「みやぎにある『旬』をこれからもっと力を入れて伝えていきたい」と感じた今回の「旬どき」でした。また、?秋の集い?に向けて企画を考えていきますのでご期待ください。