旬どき うまいもの自慢会 みやぎ
みなさん、こんにちは。企画課のトミヤです。
「旬どき?」のブログがなかなかできず、大変失礼いたしました。満を持して“地元みやぎ”の情報を発信いたします。
さて、本年も早くも12月を迎えましたが、今月は1年の中で一番お酒が出荷される月です。弊社でも出荷作業が大変忙しく、まさしく「師走」らしい雰囲気でいっぱいです。12月は、本社蔵のある店舗も29日まで営業しております。年末やお正月のお酒のお買い求めがございましたら、是非お立ち寄り下さい。お待ちしております。
年末の忙しい雰囲気から状況から逃れ、ひと息つくために向かった先は「大衆割烹 さかえ (仙台市宮城野区福田町1?1?15 電話022-259-3873)」でした。
今回、ここでご紹介する食材が「ボッケ」です。ボッケとは地方名で正式には学名ケムシカジカ(カジカ科)と言います。「ボッケ」という呼び名も宮城県全域で通じるのかといえば、そうではないらしく
「宮城県南部にある閑上(ゆりあげ)という漁港では『ミツハラ』と呼ぶよ」
と聞き、調べればまだまだ地方名が他にもたくさんありそうです。
「ボッケ」は、当蔵のある塩竈の隣町の七ヶ浜近海にも多く生息し、10月中旬から11月中旬に多く捕獲されます。肉は白身でしまっていて味が淡白なので、煮付けや鍋物にも良く使用されます。あまりに旨くて、鍋を箸で突っついて壊してしまう程美味しくて、「鍋壊し」と言われるほどの魚らしいです。鮮度の良いものは、刺身や肝合えが美味とされています。
七ヶ浜町では毎年「ボッケ祭り」が盛大に開催されます。今年は11月11日(日)に開催されましたが、残念なことに参加することが叶いませんでした。
そこで、弊社社員の某氏が行きつけのお店のひとつに、この時期でも食べられるかどうかを聞いてくれると事になり、「大衆割烹 さかえ」の阿部親方を紹介して頂きました。親方の阿部さんは見かけは怖い(親方、ごめんなさい!)ですが、本当は優しく「さすがっ!」と手を打ちたくなるほどの腕前でした。
訪問した当日は、お店に入るとカウンターに大きな生簀がありました。中を覗くと、トミヤには「沢庵」に見える物体が入っていました(もちろん、沢庵ではありません・・・)。
「親方、水槽になぜ沢庵入れてんの?」
親方はキョトンとして、暫くすると
「バガ!これは沢庵でねくて、ミル貝っつうの!」
「いやぁ、水槽の中の浄水に沢庵が良いのかと思ったぁ!」
こんな大きな太い「ミル貝」をみたことがなかったので、びっくりしました。
ミル貝と同じ水槽の中にいる「ボッケ」は、見るからにグロテスク、そして凶暴そう!恐い顔・・・。
生簀の中に入っている「ボッケ」は、悪食で何でも食べそうです。「これ美味しいのかなぁ???」と疑問符がたくさん、頭の中でいっぱいになりました。疑問を解決するべく、すぐに取り上げて調理してもらいました。
鍋の火をかける前です。先程の「ボッケ」がさばかれて一匹収まっています。人参なんかも「亀」の形にして、鍋の楽しさを演出していました。味のベースは、味噌です。なんだか、準備段階の鍋の盛りつけだけで先程の疑問符は頭の中から消えていきました。美味しくなりそうです。
鍋が煮える前には「ボッケ」の刺身が登場!
お皿には河豚の刺身のような薄造りです。身はアイナメのようなしっかりした食感ですが、醤油を少しつけたところでの口の中での味わいは、トロのような甘さが伝わってきました!なんとも言えない美味でした!
そうこうしている間に鍋も煮えました!「ボッケ」の不細工さを強調する皮には、ゼラチンがタップリ、身の方もホクホク感があり最高でした。ボッケ一匹分の魚の旨味が余すところなく、味噌の出汁と一緒になり汁だけでもオイシイ!身体も温まりリラックスしてきます。
周囲でも鍋の湯気があちこちで見られます。来店のお客様に鍋の注文が多い。なぜ?寒いから?
阿部親方が鍋で使用する鍋の出汁の水は、親方と奥さんで店がお休みの時に、わざわざ山形県境の山奥まで行って汲んでくる湧き水!だそうです。
この水がまろやかで旨かった!これが鍋の注文が多い理由ではないかもしれないけど、ひとつひとつの「こだわり」の積み重ねかなぁ、と感じました。
ここで阿部親方のウンチクが始まりました。
「七ヶ浜漁港は30数年前、隣りの仙台新港が出来たとき海流が変わり海産物、特に「うに」「ワカメ」などが数段美味しくなった。浦霞も七ヶ浜の井戸水を利用しているんだろ、七ヶ浜産の魚介類にはピッタリだべー」
そうでした。浦霞は、その昔から七ヶ浜の井戸水を大切にして利用してきています。
うーん、なるほど。七ヶ浜産魚介類と浦霞のお酒は、良い組み合わせですね。
この時は、地元でのみ流通している普通酒「栄冠 浦霞」を頂きました。やはり「ボッケ」とは好相性でした。
12月22日には、年内最後の「旬どき・うまいもの自慢会・みやぎ」があります。開催に向けてラストスパートできそうな元気をもらえた楽しい一時でした。