蔵ツアー(2006)

 去る11月28日(火)浦霞本社蔵において、宮城大学公認サークルART STANDARD.が企画・運営する「蔵ツアー」を開催しました。宮城大学学生をはじめとする宮城県内の大学生15名が、講義終了後に参加して下さいました。

 蔵ツアーの企画・運営にあたっては、ART STANDARD.が何度も浦霞本社蔵を訪れ、蔵内を案内するためのシナリオ作成や重要ポイントではクイズを出題すること、日本酒と普段食べている料理を食べ合わせてみる体験を盛り込むこと等のアイディアを出し合うミーティングを行いました。

 蔵ツアー当日は、浦霞のはんてんを着用したART STANDARD.スタッフが、浦霞の杜氏と共に蔵内を案内しました。「蔵ツアー」の様子は、地元新聞紙『河北新聞(H18年12月3日朝刊)』に掲載されました。



  はじめに洗米所を見学。ここで「1日あたりの洗
  米量は?」をクイズで出題。上の写真は、参加
  者が3択形式で出されたクイズに回答している
  様子です。

  クイズの答えは、2,500kg。繁忙期にもなると
  3,500kgになります。クイズの答えを発表する
  際、牛丼だとおおよそ2万3千杯分です。と学生
  らしい比較も出ました。

  こうじ室(むろ)では、こうじの役割やこうじ菌につ
  いて、また日本酒の発酵について紹介しました。

  上の写真は、出来上がったこうじを広げる作業を
  体験していただいた様子です。美肌効果が高い
  とされる日本酒の原料に触れた
学生は、手がす
  べすべになることを実感したようでした。


  仕込み蔵では、発酵状態の異なるもろみを見て
  いただきました。そして、長さ2メートルにもなる
  かくはん捧(櫂棒−かいぼう)を使って、もろみを
  かくはんする作業「櫂入(かいいれ)」を体験して
  いただきました。
  酒母(しゅぼ)について説明する杜氏平野に真剣
  なまなざしを向ける学生。なぜ酒母用のタンクは
  小さいのか?果物のような香りはどこからくるの
  か?等、質問はつきない様子でした。




蔵見学後は、3種類のお酒の試飲とそれらに
合わせた料理の食べ合わせ体験を行いました。


蔵ツアーで出題したクイズの正解者には
記念品が贈られました



 
左の写真は「蔵ツアー」を企画・運営したART STANDARD.スタッフです。弊社社員と見間違う程はんてんが似合っていたART STANDARD.スタッフから、「自分達も楽しめた蔵ツアーにすることが出来た。参加者にも喜んでもらえて日本酒の魅力が伝えられた良い機会になった」と感想をいただきました。(写真中央は弊社社員です)

◆蔵ツアー実施のきっかけ
 弊社の企業目的「日本酒を通して、豊かさや安らぎ、潤いを提供する」と宮城大学公認サークルART STANDARD.のコンセプト「アートの魅力で人々をつなぎ心豊かな生活をうむ」が合致したことにより、平成18年4月より共同プロジェクトを開始しました。

 弊社は、宮城の地酒・浦霞として日本酒文化の伝統を守る決意のもと、様々な活動を行っていますが、若い世代の感性と情報発信力を生かし、日本酒の持つ素晴らしさをより多くの人々に提供していきたいと考えています。
そのための手段として、フリーペーパー『shizuku』の発行や、プロジェクトの内容をご紹介するホームページサイトの作成を今年4月より取り組んでいます。

 半年間の活動を経たART STANDARD.のまわりでは、日本酒に興味を持ち始める学生が少しずつではありますが見受けられるようになり、ART STANDARD.より“自分たちが紹介している日本酒の魅力を、日本酒が造られる現場から仲間に紹介したい”という提案を受けました。

 そこで弊社は、日本酒文化の伝統を守るという強い使命のもと、若い世代に日本酒が造られる現場を同世代の“友から友へ”伝える良い機会になると考え実施することとしました。今回の蔵ツアーを通して、運営するART STANDARD.をはじめ、参加する学生に少しでも日本の食文化について考えてみる機会になれば幸いと考えています。