うらかすみ便り
こんにちは。営業部の中村です。
『夏詣(なつもうで)』のお酒についてご紹介いたします。
全国の神社では大祓(おおはらい)が年に2回行われます。12月の大晦日の「年越しの大祓」。翌日の元旦に神社・仏閣を訪れる『初詣』では、その年の無事・平穏を祈ります。そして、もうひとつは『夏詣』。6月末日の「夏越しの大祓」の後、7月1日以降に神社を訪れ、一年の前半の無事に感謝し、残りの半年の無病息災を祈願します。
日本の良き習慣である『夏詣』を、まだまだコロナ禍への不安が続く皆様に身近なものとしてお届けしたい。「夏詣の酒」にはその想いがこめられています。弊社では、昨年から日本名門酒会宮城支部加盟店様向け商品として製造・販売しました。
弊社が江戸時代後期より御神酒を納める鹽竈神社に、加盟店様とともに瓶詰めされたお酒を持参し、「夏越しの大祓」で無病息災を祈願し皆様にお酒をお届けします。今年は新しい取り組みとして、酒造りにも加盟店様代表に携わっていただきました。
醪の留仕込み(三段仕込みの最終の仕込み)当日に、2名の加盟店様にご参加いただきました。午前10時から作業開始となり、まずは甑で蒸し上がったササニシキ約660kg(三段仕込み総量で1,800㎏)を放冷機にて温度を8度まで下げた後、エア・シューターを使用して享保蔵の仕込みタンクまで専用ホース経由で送り込みます。
甑から蒸米を取り出します。
※この作業は弊社社員が担当
放冷機で蒸米温度を下げてから仕込みタンクに送ります
作業前に小野寺杜氏と木桶の前でパチリ
小野寺杜氏や製造部社員による櫂入れを見ていただき、いよいよ本番です。最初はやや緊張の面持ちでしたが、慣れるにつれて熟練者のように櫂棒をふるっていただきました。蒸米が全量送り込まれるまで約40分かかりますが、蒸米の量が増えるにつれて醪の濃度が高くなり、なかなかの重労働となってきます。弊社社員と交代しながら、(社長の佐浦も櫂入れに参加しました!)醪が十分に攪拌され均一な状態になるまで頑張っていただきました。
仕込みタンクに蒸米が送られます
様子を真剣な目差しで見つめます
櫂入れ、実にさまになっています
作業終了後の懇談の席で、お二人から櫂入れの感想と販売への想いを伺いました。
「初めての体験であり、非常に勉強になりました。櫂入れの大変さは想像以上でしたが、自分たちが手がけたお酒としてより愛情をもって販売していきたいと思います」
「去年から発売した夏詣酒は、コロナ禍による不安な気持ちを癒やすお酒であり、販売できることを嬉しく思います。全国の縁のあるお客様に手紙を通じてご案内したい」
同席した小野寺杜氏は、「これから上槽までの約27日の醪期間をしっかりと管理し、ササニシキのきれいな旨味を引き出し、美味しいお酒を目指します」と力強く、参加されたおふたりに誓いました。
また、佐浦社長は「造りの一部に参加していただき『一緒に造っていく酒』との想いであることを強く感じました。昨年より一歩進化した状況を嬉しく思います」と伝えています。
皆様におかれましては、発売日6月28日「夏詣酒」をご期待いただきたいと思います!
今後は、発売当日のイベントの様子もお伝えします。当日は「茅の輪くぐり」を行います。「茅の輪くぐり」は日本神話に由来しますが、そのあたりも次回ご案内いたします。